嗅覚障害とは
食べ物や刺激物のにおいがわからない、わかりづらい、といった症状が出るときがあります。最近では新型コロナウイルス感染症の一症状としてもスポットが当たりました。
原因・症状
大きく病態が2種類に分かれます。
①におい物質がにおいセンサーまで届かない におい物質(においの分子)がにおいセンサー(嗅球)まで届かない場合です。
具体的には慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎など、鼻の通りが悪くなった場合と言えます。
②においセンサー~脳の部分が機能していない 嗅球にある嗅細胞が壊れている、または嗅神経が脳の病気、けがなどで分断されている場合です。
ウイルス感染などで急に嗅覚が低下することもあります。 また、頭部外傷や脳出血後なども気づけばにおいが全く失われた、というケースも経験があります。
治療
慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎に関しては、個々に治療を行います。
これまで記したように内服薬、外用薬で鼻閉を改善させ、嗅球までにおい分子を届けてやればいいのです。
そのほかにも物理的に手術で鼻閉を改善させるのも一法です。
一方で鼻閉がない嗅覚障害に関しては、まったくにおいがゼロ(脱失)した場合、改善が厳しいことが少なくありません。必然的に、鼻閉のない嗅覚障害の治療は長期にわたることが多いです。漢方薬、点鼻薬等で嗅神経を活性化させて嗅覚の改善を目指します。